模倣品対策・判決集 - JETRO Bangkok

模倣品対策 Tips

  1. まずは調査しましょう
    • どこで模倣品(ニセモノ)を売っているのか、どのような経路で流通しているのか、小売店に卸している業者や輸入している業者がいないかなど、を可能な限り調査しましょう。どこで製造しているのかまで解明できれば最良です。このような調査を社外(調査会社など)に依頼することも可能ですが、それ以前にも、自社の販売網などを活用する、報奨金を出して情報提供を呼びかける、といった手段も考えられます。
    • もし商品の一部(パッケージ、部品など)に本物が含まれているならば、ニセモノ製造者はどのようにして本物を入手しているのか、を調査しましょう。この調査により、ニセモノ製造者や流通ルートが解明されるかも知れません。例えば、中古品の回収、本物のパッケージなどの製造委託先からの横流し、パッケージに中身を詰める作業の委託先からの横流し、などの可能性が考えられます。一方、もし商品の全部又は一部が特殊な物であって、その部分も含めてニセモノである場合は、そのような特殊な物を製造できる能力を有する者はそう多くはないでしょうから、その者が誰かを追求することは比較的容易であると予想されます。これにより、ニセモノ製造者に近づくことができる可能性があります。
  2. 法的手段を採ることができるかどうかを検討しましょう
    • 知的財産権に基づく法的手段が取れるかどうかを検討します。その際、可能な限り、当該国での正式な法曹資格を有する者(弁護士)のコンサルテーションを求めましょう。
    • 登録された権利(産業財産権、工業所有権)に基づいて対抗する場合には、商標権の場合はその商品を指定した商標権が、意匠権の場合は商品そのものやパッケージ等のデザインが、また、特許権(実用新案権)の場合は商品に関する化合物、組成物、製法、構造等の特許権(実用新案権)が、それぞれ被害発生国で登録されていることが必要です。なお、東南アジア諸国の場合、上記3つの権利については、原則的に商標、意匠、特許(実用新案権)の順で権利行使が難しくなると考えてください。また、ラオス、カンボジア、ミャンマーでは、意匠制度、特許制度が整備不十分のため、これらに基づく法的対抗手段は原則的に取れないと考えるべきです(ただし、状況は変化しますので、必要性が生じた都度、最新情報を確認してください)。
    • 正規に登録された権利がない場合でも、例えば、周知商標(Well-Known Marks)は国際条約による一定の保護を受けられる可能性があります。また、著名表示の冒用行為や商品形態模倣行為などに対しては、詐称通用(passing off)という法理により罪を問える可能性があります。ただし、東南アジア諸国のような開発途上国においては、これらは正規に登録された産業財産権(工業所有権)等に基づいた対抗手段に比べて相対的に困難が多いものと認識しておいてください。
    • 刑事事件にする場合は、警察(輸入品だったら税関)へ取締を要請し、捜査してもらいます。フォーマットの決まった申立書を提出することが求められる場合もあります。捜査(raid)を行うために必要十分な情報を提供しましょう。捜査が行われると、場合によっては、ニセモノの押収、犯人の逮捕となることもあります。その後、送検され、立件(起訴)されることが決まれば裁判になります(訴訟手続の例)。被害者が自身で訴えを提起することもできます(訴訟手続の例)。ただし、いずれにせよ、当該国での正式な法曹資格を有する代理人(弁護士)への委任はまず必須と考えてください。登録された産業財産権(工業所有権)などに基づいてする場合、権利者が委任状を出さなければなりません。現地代理人との密接な情報交換や、現地代理人への詳細な指示も必要となりますが、捜査自体には危険を伴う場合がありますので、日本人が不用意に捜査に同行しないことを強く奨めます。  
    • 民事事件にする場合は、損害賠償、及び/又は、差し止めを要求することができます(訴訟手続の例)。登録された商標権などに抵触していない場合であっても、例えば、小売店等との契約の中に類似品を売らないといった内容の条項がある場合や、製造委託先等との契約に品物を第三者に売らないといった内容の条項がある場合、これらの契約違反に基づく民事訴訟(差し止め・損害賠償請求等)を検討することができます。
  3. 法的手段以外にどのような手段が採れるかを検討しましょう
    • 契約関係や取引関係がある相手の場合には、ニセモノ製造・販売などを止めなければ、契約解除や出荷停止・取引停止などを行う旨を警告します。なお、法的対抗手段を採る場合でも、その前に警告状を送っておくという手はよく採られます。
    • マス・メディアをうまく利用することを考えましょう。例えば、外観や価格差などにより末端消費者でも簡単にニセモノを見分けられる場合には、その情報を新聞広告に掲載することも有効です。また、二番手、三番手の摸倣者を抑止するため、取締を行った場合には事後の記者発表を行うことも有効です。
    • 個人や単独企業でのニセモノ対策は限界に直面する場合があります。このような場合、例えば、同業・類業他社との連携、業界団体としての対応、流通国、製造国の日本人商工会議所や日本人会から当該国の政府への問題提起(知的財産の尊重、ニセモノ製造者に対する製造認可の取消し、安全規制、環境規制の厳格な適用など)、なども考えましょう。
    • 法的対抗手段を採るにはそれなりのコストがかかります。費用対効果の観点から法的手段を採ることが得策でない場合もあります。本物とニセモノとの価格差が小さい場合には、値下げによるシェア回復や対抗製品の開発などにより損害を少なくすることも検討できるでしょう。
  4. その他
    • 誰を相手にするのが最も効果的かを常に考えましょう。ニセモノ対策は、原則的に「上流」に対して行う方がより効果的です。製造者や流通ルートに乗せている者が判明している場合は、その者に対して、比較的強硬な手段(捜査や訴訟)を採るべきでしょう。これらが判明していない場合は、とりあえず「下流」の小売店から遡る形で、最初は柔軟に、相手の対応によっては徐々に強硬な手段に切り替えていくのがよいでしょう。
    • 同じ事件で損害を蒙った第三者がいる場合は、その第三者がどのように対応しようとしているかを見極めましょう。例えば、一部の部品に別の製造業者の商標がついている場合には、その製造業者も損害を蒙っている可能性があります。可能な場合は第三者と連絡を取り、共同してニセモノ製造者などに対応することも考えてみましょう。
  5. さらに詳しい情報が必要な方へ

    JETRO Bangkok 知的財産権部では、模倣品対策相談を実施しています。また、JETRO(日本貿易振興機構)海外投資情報サービス海外ビジネス展開支援事業では、各種情報や国別の「模倣対策マニュアル」情報などを提供しています。相談をご希望な方や「模倣対策マニュアル」等の製本版が必要な方は、上記のリンク先又は下記までお問い合わせください。 

    Intellectual Property Department, JETRO Bangkok,
    16th Floor, Nantawan Bldg., 161 Rajadamri Rd.,
    Bangkok 10330, Thailand
    TEL. (+66)2-253-6441 ext.130, 140
    FAX. (+66)2-254-5408
    mailto@jetrobkk-ip.com